【死亡事故① 葬儀費用について】

交通事故による死亡事案の場合、損害として、葬儀関係費用を請求することできます。
それでは、葬儀関係費用は、どの程度、損害として認められるのでしょうか。

1.葬儀費用

① 裁判所の判例によると、葬儀関係費用は、原則として、150万円が認められています(自賠責基準は60万円。)。
但し、実際に支出した額が、これを下回る場合、実際に支出した額となります。上回る場合は、それを証明できれば高い金額が認められる可能性もあります。

② 150万円以上の損害が認められた例

大手監査法人勤務の34歳男性について、妻が葬儀関係費として約254万円、両親が約48万円、墓石代等で約400万円を支払ったという事案で、被害者の身上や事故態様に照らして、「葬送等に関して十分に手厚く対応しようとしたことには無理からぬところがあることを考慮すると,賠償の対象として認められる範囲としては,250万円をもって相当というべき」として、250万円を認めた事例(東京地裁平成20年8月26日判決)。

 

2.香典
香典については、損益相殺(事故により利益を得た場合、損害額から利益分を控除すべきであるという事)は行わないことになっています。
他方で、香典返しで金銭を支出しても、それは、損害として認められていません。

 

3.その他

⑴ 仏壇、仏具購入費、遺体搬送料、遺体処置費等の葬儀関連費用が損害と認められる場合もあります。

⑵ 裁判例

・葬儀費用の他に、納棺・遺体搬送費45万円余、仏壇費用43万円余を認めた事例(神戸地裁平成11年9月22日)

・一人暮らしの被害者のアパートから荷物を引き上げる費用として28万円余、住居整理等のための交通費として15万円余を認めた事例(東京地裁平成22年12月15日判決)

 

最後に、葬儀関連費用は、何にいくら使ったのか、領収証等の証拠書類をご保管ください。