整骨院での治療と後遺症の関係について

交通事故でむちうちになった場合、治療としては、整形外科に通われる方、整骨院に通われる方、両方を併用する方というパターンが見られます。
よく、「整骨院に通っていても、後遺障害認定は認められるのですか」と聞かれます。

このうち、整骨院だけに通われる方は注意が必要です。

まず、後遺障害の認定のためには、医師に後遺障害診断書を作成してもらわなければなりません。
整骨院では、後遺障害診断書を書いてもらえません。
例として、整骨院にだけ通っている方が、いきなり整形外科に行って後遺障害診断書の作成だけをお願いしたら、「事故直後の状態を見ていないから、書けない」と断られたという事がありました。
また、後遺障害の認定においては、西洋医学に基づく治療が基本となっており、いわゆる「病院」での治療が重視されています。

ただ、一般的に整骨院は、夜間や休日に空いている所も多いですし、「体が楽になる」という話はよく聞きます。仕事や学校で、日中は病院に通えない方は、主に整骨院で治療をする方も多いです。
また、医師の中には、医師の指示として、整骨院や針灸に通うことを治療の一環とする方もいます。

そこで、後遺障害申立ての可能性をつぶさないためには、以下のような方策をとると良いでしょう。

①受傷後は、まず病院に行って診断をしてもらう
②主に整骨院に通う場合は、最低でも月に1度は整形外科に行き、医師に診断をしてもらう
③併用する場合は、週に2日程度は整形外科にいく
④整骨院に通う場合は、「医師の指示」があれば理想的

結論として、後遺障害認定は、総合的に判断されるので、どこに通ったかという事だけで、ただちに結果が変わるわけではありません。
もっとも、上に書いた通り、整骨院治療だけでは足りないという事になります。