紛争の内容
ご依頼者様は、40代の男性会社員です。
自家用車で業務先から帰宅途中、赤信号で停車していたところを、後方から来た乗用車に追突されました。
この事故により、ご依頼者様は頸椎捻挫(いわゆる「むちうち」)と診断され、その後約半年間、整形外科への定期的な通院を余儀なくされました。
治療が終了したタイミングで、加害者側の任意保険会社から示談案が提示されましたが、治療費などを除いた「慰謝料」の金額が、ご依頼者様が半年間も通院した精神的・時間的負担に到底見合わない低い金額でした。
ご自身の感覚と保険会社の提示額との間に大きな隔たりを感じ、この金額が妥当なものなのか疑問に思い、当事務所にご相談されました。
交渉・調停・訴訟等の経過
当職が保険会社から提示された示談案を精査したところ、慰謝料は最低基準である「自賠責保険基準」に準じた金額で計算されていることが判明しました。
そこで当職は、ご依頼者様の通院期間と症状に基づき、過去の裁判例で認められている最も高額な「裁判(弁護士)基準」を用いて慰謝料を再計算しました。
そして、この裁判基準こそが、ご依頼者様が受けた精神的苦痛に対する法的に正当な賠償額であることを保険会社担当者に対し主張・交渉しました。
本事例の結末
当職が粘り強く交渉を重ねた結果、保険会社はこちらの主張を全面的に認め、最終的に慰謝料は当初の提示額から2倍以上に増額され、裁判(弁護士)基準の満額に近い金額で示談を成立させることができました。
本事例に学ぶこと
交通事故の慰謝料には、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判(弁護士)基準」という3つの基準があり、どの基準を用いるかで受け取れる金額が大きく異なります。
保険会社が最初に提示する金額は、必ずしも法的に最も正当な金額とは限りません。
提示された金額に少しでも疑問を感じたら、安易に示談書にサインをする前に、まずは一度、弁護士にご相談ください。