紛争の内容
依頼者の方は、信号待ちのため停車しているときに、後方からミニバンタイプの車に追突されました。
その結果、依頼者の方は首や腰を痛めてしまい、整形外科に通院することになりました。
本件では、相談時点では、依頼者の方の通院は終了しており、あとは示談の話し合いを残すのみでした。
保険会社を通じて、当事務所にご連絡いただき、法律相談を受けられました。
その後、ご依頼いただくことになりました。
なお、依頼者の方は、ご自身の自動車保険に弁護士費用特約を付帯されていました。
そのため、弁護士費用の自己負担なく、ご依頼いただくことができました。
交渉・調停・訴訟等の経過
本件では、慰謝料については裁判所基準で計算しました。
また、依頼者の方は主婦でしたので、主婦休損で休業損害を計算しました。
以上の賠償額を基に、保険会社と交渉しました。
休業損害について、保険会社は、パート勤務していた仕事への影響が軽微であったので、主婦業への影響も同じく軽微であった旨の主張をしてきました。
双方の金額の隔たりが大きかったことから、主に休業損害の増額を目指し、交通事故紛争処理センターへ斡旋の申立てをしました。
本事例の結末
あっせん申立書、および、弁護士が出頭したあっせんの期日において、依頼者のおこなっているパートの内容と家事は性質が大きく異なるものであり、パート勤務を続けていたことを主婦休損の減額事由とすべきではない旨主張しました。
最終的に、あっせん委員からは、当方の金額に寄った主婦休損の金額を提示されました。
また、慰謝料についても、裁判所基準の満額が認められましたので、あっせん案の金額で保険会社と合意しました。
本事例に学ぶこと
本件では、主婦休損の点が大きな争点となりました。
主婦は、誰かから給与をもらうわけではないので、家事を休んだことを具体的な金額にすることが難しく、交渉がこじれることがよくあります。
そのような場合には、あっせん手続きや訴訟により、金額を増額できることもあります。
特に、弁護士費用特約を利用できる場合には、一度弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士 赤木 誠治