紛争の内容
ご依頼者様は、海外への輸出を予定していた高額な精密機械を、国内の港まで運送するために配送会社に依頼しました。
しかし、運送中にトラックが転倒するという積み荷事故が発生。
積み荷の機械は完全に破損し、使用不能な状態になってしまいました。
ご依頼者様は機械代全額に加え、輸出機会の損失や代替品の緊急手配費用など、多額の損害を負いましたが、配送会社との賠償交渉は難航し、当事務所にご相談されました。
交渉・調停・訴訟等の経過
当職は、直ちに事故原因の詳細な調査を開始するとともに、運送契約の内容と商法上の運送人の責任に基づき、配送会社に対して損害賠償請求を行いました。
交渉では、単に機械の代金だけでなく、代替品の手配にかかる費用や、輸出遅延によるその他の損失(間接損害)についても証拠を提示し、法的に賠償義務があることを強く主張しました。
本事例の結末
当職の粘り強い交渉の結果、配送会社は事故の責任を認め、最終的に破損した機械代金の全額に加えて、ご依頼者様が被ったその他の関連損失の一部も含めた金額で和解が成立しました。
ご依頼者様は、複雑で高額になりがちな国際取引関連の損害を、迅速かつ全面的に補填してもらうことができました。
本事例に学ぶこと
運送中の事故による積み荷の損害は、運送会社との交渉が長期化したり、賠償範囲が限定されがちです。
特に輸出入に関連する高額な積み荷の場合、機械代だけでなく、サプライチェーン全体で発生する間接的な損失まで含めて請求したいところです。
しかし、商法により間接損害は原則として運送事故賠償の対象にはならないので、交渉は難航しがちです。
早めに弁護士に相談し、適正な賠償範囲で交渉を進めることが、貴社の損失を最小限に食い止める鍵となります。