交通事故による外傷によって、人体の胸部に存在する臓器、例えば気管、食道、肺、心臓、胃、肝臓、大腸、小腸、膵臓、脾臓、腎臓、尿管、膀胱などが損傷を受けることがあります。これらの臓器は、身体全体に重要な役割を果たしております。

胸部臓器は、生存に不可欠な役割を果たしており、交通事故による外傷によって損傷を受けると、以下のような後遺障害が残る可能性があります。

特に歩行中や自転車・バイクに乗っているときに自動車に接触されて起ることが多いように思います。
どのような後遺障害が認められる可能性があるか、慰謝料はどうなるかについて解説します。

後遺障害認定のある可能性の等級

等級 後遺障害
1級2号 胸腹部臓器に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3級4号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級3号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級5号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級13号 両側の睾丸を失ったもの
9級1号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
9級16号 生殖器に著しい障害を残すもの
11級10号 胸腹部臓器に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
13級11号 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

 

 

後遺障害が認められたときに請求できる項目

⑴ 後遺障害慰謝料

慰謝料には、3つの基準があります。
1.自賠責基準
自賠責保険とは、自動車を運転する人は必ず加入する強制加入保険です。その自賠責の基準は、最低限の補償をするための基準です。
2.任意保険基準
保険会社が独自に定めた基準で、自賠責基準よりは若干高いと言われています(基本的には基準は非公開となっています。)。
3.裁判(弁護士)基準
裁判所で、算定の基準として採用されているものです。金額は、3つの中で最も高額です。

そうすると、被害者にとっては、裁判基準がもっとも良いということになります。
しかしながら、保険会社は一般的に、「弁護士が代理人で入っている場合」や「裁判での判決の場合」、「紛争センターでのあっせんを受けた場合」にしか、裁判基準での支払いをしようとしません。
ご自身で交渉している場合は、ほとんどの場合、自賠責基準か、自賠責基準とほぼ同じ基準である任意保険会社の独自の基準で慰謝料額を計算し、提案してきます。

したがって、慰謝料をあげる簡単な方法の一つは、弁護士を代理でつけることになります。保険会社は、たいていは自賠責基準に近い金額の慰謝料額を提示してきますので、示談の際には注意が必要です。

⑵ 逸失利益

後遺障害が残ってしまったが故に、将来得られるはずだったのに得られなくなってしまった収入のことを、「逸失利益」といいます。
逸失利益の基本的な考え方は、1年あたりの基礎収入に、後遺障害によって労働能力を失ってしまうことになると想定される期間(労働能力喪失期間)と、後遺障害によって失われた労働能力の割合(労働能力喪失率)を乗じて計算することになります。
(ただし、将来もらえるはずの金額を、現時点で一括してもらうことになるので、中間利息を控除することになります)

 

交通事故で臓器損傷してしまった際は、ぜひ弁護士へ相談を

交通事故で臓器損傷してしまった場合、残念ながら、後遺症が残ってしまう可能性は否定できません。
そうなってしまった場合には、しかるべき賠償金をきちんと受け取れるよう、弁護士に相談することをお勧めします。
ご自身で交渉するよりも、弁護士が交渉する方が、受け取れる賠償額が大きくなることが多いです。

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