ライプニッツ係数とは
やや難しい概念ですので簡単に言いますと、「将来にわたる損害金を一度に受け取るのだから、利息を引くべし」という考え方です。
逸失利益の請求は、長期間にわたって発生する収入減少による損害を、一時金で受け取ります。したがって、将来の利息分(中間利息)を差し引いて計算することになります。
すなわち、一度に受け取ったお金を運用すれば、利息が増えるのだから、現在請求できる金額は、将来もらえるはずの金額からそれまでの利息分を控除した金額となります。
中間利息控除は、年5%が前提とされています。
実は、これは大きな問題が含まれています。
現在の経済状況で、年5%も利息を増やす手段は、非常に限られたものになっています。定期預金にあずけても、全く利息はつきません。
それにもかかわらず、5%が基準となっているのです(民法における定めが影響しているので、現在の実務でこの点を争うのは困難です)。
実は、中間利息控除の計算方法には、複利計算方式のライプニッツ方式と、単利計算方式のホフマン係数があり、どちらをとるかにより数字が変わってきます。
ですが、東京・大阪・名古屋の裁判所の計算方法は、原則として、ライプニッツ方式での計算をすることになっています。
以下、参考として、ライプニッツ係数の表を載せておきます。
ライプニッツ係数表
年数 | ライプニッツ係数 | 年数 | ライプニッツ係数 |
1 | 0.9524 | 35 | 16.374 |
2 | 1.8594 | 36 | 16.547 |
3 | 2.7232 | 37 | 16.711 |
4 | 3.5460 | 38 | 16.868 |
5 | 4.3295 | 39 | 17.017 |
6 | 5.0757 | 40 | 17.159 |
7 | 5.7864 | 41 | 17.294 |
8 | 6.4632 | 42 | 17.423 |
9 | 7.1078 | 43 | 17.546 |
10 | 7.7217 | 44 | 17.663 |
11 | 8.3064 | 45 | 17.774 |
12 | 8.8633 | 46 | 17.88 |
13 | 9.394 | 47 | 17.981 |
14 | 9.899 | 48 | 18.077 |
15 | 10.38 | 49 | 18.169 |
16 | 10.838 | 50 | 18.256 |
17 | 11.274 | 51 | 18.339 |
18 | 11.69 | 52 | 18.418 |
19 | 12.085 | 53 | 18.493 |
20 | 12.462 | 54 | 18.565 |
21 | 12.821 | 55 | 18.633 |
22 | 13.163 | 56 | 18.699 |
23 | 13.489 | 57 | 18.761 |
24 | 13.799 | 58 | 18.82 |
25 | 14.094 | 59 | 18.876 |
26 | 14.375 | 60 | 18.929 |
27 | 14.643 | 61 | 18.98 |
28 | 14.898 | 62 | 19.028 |
29 | 15.141 | 63 | 19.075 |
30 | 15.372 | 64 | 19.119 |
32 | 15.803 | 65 | 19.161 |
33 | 16.003 | 66 | 19.201 |
34 | 16.193 | 67 | 19.239 |