紛争の内容
主婦の方が、自転車で走行中に自動二輪車と接触するかたちで事故にあった事件でした。
被害者の方は、いわゆるむちうちになり、通院せざるを得ない状況となりました。
そこで、当事務所にご相談いただき、相手方保険会社との示談交渉を行うこととなりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼をいただいた段階では、まだ傷が癒えておらず、当面の間は治療に通っていただくこととなりました。
その後、半年ほど通院していただき、担当のお医者様から症状固定との判断がなされました。
そこで、ここまでの治療にあたって必要となった交通費や慰謝料、さらには休業損害について請求をすべく、損害の計算を行いました。
なお、通院費については保険会社からの一括対応がなされておりましたので、ご本人によるご負担はない状態でした。

示談交渉を行うにあたって、もっとも検討を要したのは主婦としての休業損害についてでした。
働いている方であれば、収入資料等で明確に休業損害を計算することができますが、主婦業には給与明細のようなものがありませんから、計算について検討を要しました。

本事例の結末
半年ほど通院を行わざるをえなくなったことなどに対する慰謝料や主婦としての休業損害について計算を行い、最終的には通院交通費などの雑費も含めて100万円以上の支払いを受けることで示談を行うことができました。
主婦としての休業損害についても、労働者の平均賃金をもとにした賃金センサスを利用して、請求することができました。

本事例に学ぶこと
主婦の方が交通事故の被害にあわれた場合、給与として得ている金銭がないことから、休業損害を請求できないと思われがちですが、賃金センサスなどを利用して請求することができます。
こうした請求をすることで、支払いを受ける金額に大きな差がうまれます。
交通事故の被害にあわれて、示談交渉をなどを行う際には、損害として算出できる費目と金額を正確に計算し請求を行うことが大切です。

弁護士 時田 剛志
弁護士 遠藤 吏恭