紛争の内容
ご依頼者様の運転する車が道路を直進していたところ、左方から直進してきた相手方の車と衝突しました。
この事故により、ご依頼者様は、頚椎捻挫等のお怪我をされ、約半年間通院されました。
後遺障害は残りませんでしたので、当方で損害額を計算し、相手保険会社に請求しました。
当方からの請求額は約135万円でした。

交渉・調停・訴訟等の経過
こちらの損害額は主に、通院交通費・休業損害・通院慰謝料でした。
相手保険会社は、通院交通費はこちらの請求額を満額認めましたので、主な争点は、休業損害と通院慰謝料となりました。

休業損害については、ご依頼者様は専業主婦でしたので、主婦としての休業損害を請求しました。
具体的には、主婦としての日額に実通院日数を掛けて休業損害を算出しました。

相手保険会社は、主婦としての損害自体は認めましたが、こちらの請求満額は認めず、こちらの請求額に20%や50%を掛けた金額を認めると回答しました。

これを受けて、当方は、ご依頼者様の怪我の度合いや主婦の仕事に具体的にどのような支障が出ているかを詳細に主張し、休業損害の増額を求めました。

通院慰謝料については、相手保険会社は、こちらの請求額の8割を認めると回答しました。
これに対し、当方は、ご依頼者様の怪我の内容や程度、通院が必要だった事情などを主張し、通院慰謝料の増額を求めました。

本事例の結末
交渉の結果、相手保険会社も当方の主張を受けて、当初の回答よりは大幅に当方側に譲歩し、最終的に、先方が当方に総額で約125万円を支払うという内容で示談を成立させることができました。

本事例に学ぶこと
交渉段階では、相手保険会社は、本件のように、休業損害や通院慰謝料について、こちらの請求の満額を認めず、こちらの請求の8割程度しか認めないと回答してくることが多いです。

しかし、交渉だからといってそこで妥協せず、ケガの内容や程度、通院の必要性、休業の必要性などを具体的かつ詳細に主張することで相手保険会社も大幅に譲歩し、こちらの請求額の満額に近い金額で示談を成立させることができることがあります。

弁護士 権田 健一郎