紛争の内容
依頼者(男性・会社員)が、交差点で信号待ちのため停車中、後方から来た車両に追突されました。
この事故で頸椎捻挫(むちうち)と診断され、事故後、約5ヶ月間にわたり整形外科への通院を続けました。

治療が終了し、加害者側の保険会社から示談金の提示がありましたが、その中に含まれる慰謝料は、依頼者が感じていた通院の負担や精神的苦痛に到底見合わない低額なものでした。

この提示額に納得がいかず、当職へ相談に来られました。

交渉・調停・訴訟等の経過
当職が保険会社の提示内容を確認したところ、慰謝料は保険会社独自の内部基準、もしくは最低限の自賠責保険の基準に沿ったものでした。

そこで当職は、通院期間5ヶ月という客観的な事実に基づき、過去の裁判例を基にした最も高額となる「裁判(弁護士)基準」で慰謝料を算定し直しました。

その上で、算出された正当な金額を保険会社に提示し、増額を求めて交渉を行いました。

本事例の結末
交渉の結果、当方の主張が認められ、慰謝料は当初の保険会社提示額から大幅に増額された金額で合意することができました。
最終的に、依頼者は裁判(弁護士)基準に準じた適切な賠償金を受け取ることができ、解決に至りました。

本事例に学ぶこと
たとえ同じ「むちうちで通院5ヶ月」というケガであっても、慰謝料の算定に用いる基準によって、受け取れる金額は大きく変わってきます。
保険会社から提示された金額が、必ずしも法的に正当な額であるとは限りません。
示談書にサインをする前に、一度弁護士に相談することが重要です。

弁護士 申 景秀