紛争の内容
ご依頼者様(50歳・男性・会社員)は、通勤途中に信号待ちで停車していたところ、後方から追突される交通事故に遭いました。
事故後、首や背中の痛みが続き、「むちうち(頸椎捻挫)」と診断され、約7ヶ月間にわたり整形外科への通院治療を続けました。
治療終了後も症状が完全に消失しなかったため、後遺障害の申請を行い、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号が認定されました。
相手方保険会社からの最終提示額は、後遺障害慰謝料を含め低額なものであり補償が不十分であると感じ、当事務所にご相談されました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼を受け、当職はすぐに認定された後遺障害14級9号に基づき、損害賠償額を再算定しました。
保険会社が提示していた金額は、裁判所が認める「裁判所(弁護士)基準」と比較して、慰謝料も逸失利益も大幅に低いものでした。
当職は、ご依頼者様が現在も痛みを抱えながら勤務を続けている状況、50代という年齢を考慮すると将来的な症状の悪化や再発リスクも無視できないこと、そして何よりも「裁判所(弁護士)基準」こそが本来支払われるべき適正額であると強く主張し、交渉を行いました。
本事例の結末
当職の粘り強い交渉の結果、相手方保険会社は「裁判所(弁護士)基準」による算定を受け入れました。
これにより、後遺障害慰謝料、入通院慰謝料、そして逸失利益(将来的な労働能力の低下に対する補償)のすべてが当初提示額から大幅に増額されました。
ご依頼者様は、ご自身の傷病に見合った賠償金を得て、今後の生活に対する経済的な不安を解消できたとおっしゃっていました。
本事例に学ぶこと
むちうちによる後遺障害(14級など)が認定された場合でも、保険会社は最低限の基準である自賠責基準に近い金額で示談を迫ることが多くあります。
特に、50代以降の場合、将来の労働能力や症状悪化のリスクを考慮した適切な補償を勝ち取るためには、弁護士による交渉が必要です。後遺障害が認定された際は、提示された金額に納得せず、すぐに弁護士に相談し、最も高額な「裁判所(弁護士)基準」での解決を目指すことが重要です。















