紛争の内容
小学生のお子様が自転車で走行中、路地から出てきた四輪車に衝突された事故です。相手方保険会社は、お子様側の前方不注意などを理由に「過失割合 70:30」を主張し、賠償額を3割減額する方針を提示してきました。親御様としては、子供が安全運転に努めていた確信があり、提示された過失割合と低額な慰謝料提示に納得がいかず、当事務所へ相談に回られました。

交渉・調停・訴訟等の経過
受任後、事故現場を精査し、警察の作成した実況見分調書を取り寄せました。当時の視認状況や車両の速度、お子様の回避行動を詳細に分析した結果、四輪車側の重大な前方不注意が事故の主因であることを突き止めました。この分析に基づき、お子様に過失を問うのは不当であると厳しく反論。併せて、任意保険基準ではなく、裁判実務で用いられる「弁護士基準」に基づいた慰謝料を請求しました。

本事例の結末
粘り強い交渉の結果、保険会社は自らの過失割合の算定ミスを認め、最終的に「過失 100:0(お子様の過失ゼロ)」での解決を勝ち取りました。過失相殺がなくなったことに加え、慰謝料も弁護士基準が適用されたため、当初の提示額から大幅な増額を実現。お子様の将来に備えた十分な補償を確保した形で示談が成立しました。

本事例に学ぶこと
交通事故において、保険会社が提示する過失割合は必ずしも絶対ではありません。特に子供が当事者の場合、状況が十分に考慮されず定型的に処理されてしまうことがあります。専門的な視点で事故状況を再検証し、法的根拠を持って主張することで、不当な過失相殺を回避し、本来受け取るべき適正な賠償金を得ることが可能になります。

弁護士 申 景秀