紛争の内容
ご相談にいらっしゃったのは、10歳のお子様(ご依頼者様)の親御様です。お子様が自転車に乗っていたところ、自動車と衝突し、アスファルトに身体を強く打ち付けるという大変痛ましい交通事故に遭われました。
お子様はお怪我の治療のために通院を余儀なくされましたが、相手方の代理人弁護士からは、被害者であるお子様側にも厳しい主張がなされました。
具体的には、「実通院日数が少ないため慰謝料は大幅に減額されるべきである」という主張や、事故の衝撃でお子様が当時携行していたスマートフォン(iPhone)が破損したことについて、「小学生が複数台のスマートフォンを持ち歩くことは予見できず、賠償の対象外である」といった、被害者感情を逆撫でするような事務的な反論がなされ、交渉は難航の兆しを見せていました。
親御様としては、お子様が怪我を負っただけでも辛い状況のなか、相手方からのドライな主張に大変な精神的ストレスを抱えておられました。
交渉・調停・訴訟等の経過
当事務所の弁護士は、まず何よりも「これ以上の交渉の長期化は、事故のトラウマを抱える10歳のお子様にとって大きな負担になる」と考えました。
裁判まで徹底的に争うという選択肢もありましたが、児童の心理的負担を考慮し、早期の円満解決を最優先とする方針を親御様と共有いたしました。
その上で、相手方に対して法的に譲るべきでない点は毅然と主張し、早期解決のための「戦略的な譲歩」を織り交ぜた対案を提示しました。
慰謝料の減額主張に対しては、「本件は10歳の児童が車と衝突し身体を打ち付けた事故であり、外傷の回復度合いを慎重に経過観察する必要があったため、単なる通院頻度のみで慰謝料を機械的に大幅減額すべきではない」と強く反論し、適正な慰謝料額を提示しました。
また、物損(スマートフォン)についても、「現代において防犯等の目的で小学生がスマートフォンを携行することは一般的である」と反論。その上で、全額賠償の請求に固執して交渉を長引かせるのではなく、「少なくともお子様ご本人が使用・携行していた高額な端末1台分については、事故との相当因果関係がある損害として確実に賠償を求める」という現実的な歩み寄りを行いました。
さらに、過失割合(相手方95%:お子様5%)を受け入れる代わりに、加害者側からの「車両の修理代金の請求(求償権)」を完全に放棄させるという条件を突きつけました。
本事例の結末
当方からの、児童の状況に配慮した法的な反論と、早期解決に向けた現実的かつ具体的な歩み寄りは、結果として相手方代理人にも受け入れられました。
最大の懸案であった物損請求や慰謝料についても当方の主張が大きく反映され、最終的にお子様側が約82万円の賠償金を受け取ること、そして懸念されていた「相手の車の修理代は一切支払わなくてよい(請求権の放棄)」という条件で、無事に示談が成立いたしました。訴訟等に発展して長期間お子様を不安にさせることなく、早期に納得のいく形での解決を実現することができました。
本事例に学ぶこと
お子様が交通事故の被害に遭われた場合、保険会社や相手方の弁護士から、大人と同じようなドライな基準で「通院日数が少ない」「子供の持ち物の破損は想定外」といった冷酷な主張をされ、親御様が二重の苦しみを味わうケースが少なくありません。
このような時、相手の言いなりになって不当な条件で示談をしてはいけません。一方で、すべての要求を100%通すために何年も裁判で争うことが、必ずしも被害者ご本人(特にお子様)の幸せに直結するとは限りません。
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所では、事案の性質やご本人の精神的負担を総合的に考慮し、「どこを強く主張し、どこを譲歩して実質的な利益(慰謝料の確保や相手からの請求のブロック)を最大化するか」という戦略的な交渉を得意としております。お子様の交通事故でお悩みの方、相手方の対応に理不尽さを感じておられる方は、一日も早く安心できる日常を取り戻すため、ぜひ当事務所までご相談ください。親身になって、最善の解決策を共に考えます。














