紛争の内容
依頼者は、自動車運転中、加害者の運転する自動車によって、追越し車線から合図なしに依頼者が運転する自動車の前に割り込まれ、衝突する事故に遭いました。これにより、依頼者は頸椎を痛める怪我を負いました。始めは、ご本人が保険会社とのやり取りをしていたところ、治療の早期打ちきりを何度も催促され、安心して通院することができずに困り、当事務所に依頼をされました。

交渉・調停・訴訟などの経過
弁護士から保険会社に連絡をし、依頼者に代わって直接の交渉を始めました。その後、依頼者は引き続き週に3回程度は整形外科に通って治療を受け、リハビリをすることで、怪我からの回復に努力されていました。
ところが、保険会社は、弁護士に対し、しきりに治療が必要でないことお主張し、治療を打ち切ろうとしてきました。そこで、依頼者が真摯に病院に通院し、治療を受け、リハビリを受けることを、仕事が忙しいながらも、ずっと週3回にわたって続けている事実を主張し、治療の必要性を強く主張していきました。これに対し、保険会社も治療継続を認めるに至りました。
その後も、毎月のように保険会社は治療打切を打診してきましたが、弁護士が丁寧に依頼者の通院状況・怪我の回復状況を伝え、治療打切を阻止しました。

治療終了後、保険会社は、通院慰謝料について、保険会社は、赤い本基準という実務上一定の客観的金額の7割の支払を提案してきました。弊所弁護士としては、そのような提案は受け入れられないとして、100%の支払請求をしました。

本事例の結末
最終的に、依頼者は、体調が回復したと実感できる時点まで、納得いく治療を受けることができました。また、保険会社は通院慰謝料について、、赤い本基準100%までは認めないものの、依頼者の納得いく金額を提示するに至りました。

本事例に学ぶこと
一般の方が、法律的・実務的知見もないまま、保険会社と交渉をすることは困難です。また、保険会社と交渉すること自体、大きなストレスになります。弁護士に依頼したことで、依頼者の方は直接保険会社との対応をせず、交渉内容も適切な内容となりました。
保険会社の言うことをそのまま受け入れるのではなく、まずは弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

弁護士時田剛志 弁護士平栗丈嗣