紛争の内容
ご依頼者様は、パートタイムで働きながら家事をこなす兼業主婦の方でした。ある日、信号機のない交差点を車で通過しようとした際、出会い頭に相手方車両と衝突する事故に遭われました。
幸い命に別状はありませんでしたが、むちうち等の怪我を負い、通院を余儀なくされました。しかし、今回の事故は信号機がない交差点での出会い頭の事故であったため、ご依頼者様側にも「15%」の過失(不注意)があると判断される状況でした。
ご自身の過失分は賠償金から差し引かれてしまうため、「最終的に手元に残るお金が少なくなってしまうのではないか」「パートを休んだ分の給料しか補償されないのではないか」という不安を抱え、当事務所へご相談に来られました。
交渉・調停・訴訟等の経過
弁護士が介入し、まず着目したのは「休業損害」の考え方でした。
保険会社側は当初、ご依頼者様がパート勤務であることから、実際に仕事を休んだ日の「減収分」のみを補償対象として提案してきました。また、ご依頼者様のお宅はお子様がいらっしゃらずご夫婦お二人暮らし(共働き)であったため、「家事の負担はそれほど大きくない」として、主婦としての休業損害を低く見積もる傾向にありました。
しかし、私たちはこれに強く反論しました。
たとえお子様がいらっしゃらなくても、食事の支度や掃除、洗濯といった日々の家事は生活の基盤であり、怪我によってそれがこなせなかった苦痛や支障は、法的に評価されるべきです。また、パートの実際の減収額よりも、全年齢平均賃金をベースとした「主婦としての休業損害」で計算する方が、ご依頼者様にとって有利になることが試算で明らかでした。
私たちは、ご夫婦お二人の生活であっても家事労働には正当な経済的価値があること、そして事故による痛みが家事労働にいかに支障をきたしたかを具体的に主張し、粘り強く交渉を続けました。
本事例の結末
私たちの主張が功を奏し、保険会社側の譲歩を引き出すことができました。
まず、最大の懸念であった過失割合による15%の減額は避けられませんでしたが、それを補って余りある成果として、パートの減収分ではなく、より高額な「主婦休業損害」を満額近く認めさせることに成功しました。
その結果、治療費などの既払金を差し引いた最終的な解決金(示談金)として、約150万円(治療費込みの総額)での合意に至りました。ここから過失相殺などがなされましたが、ご依頼者様の手元にはしっかりと約100万円を残すことができました。
「過失があるから仕方ない」と諦めず、主婦としての権利を主張したことで、当初の想定を上回る納得の解決となりました。
本事例に学ぶこと
本事例からお伝えしたいことは、大きく二つあります。
一つ目は、「パート主婦の方も、主婦としての休業損害を請求できる可能性がある」ということです。
パート収入が低い場合や、シフトが少ない場合、実際の減収額で計算するよりも、家事従事者(主婦)として計算したほうが賠償額が高くなるケースが多々あります。しかし、保険会社が自らそれを教えてくれることはほとんどありません。
二つ目は、「子供がいない共働き夫婦でも、家事労働は評価される」という点です。
「夫婦二人だけなら家事は楽でしょう」という偏見により、補償が不当に低く抑えられることがありますが、弁護士が介入し法的な基準で主張することで、適正な評価を勝ち取ることができます。
過失がつく事故では、どうしても受け取れる金額が減ってしまいます。だからこそ、認められるべき損害項目を漏れなく、最大限に積み上げることが重要です。
「私のケースでも主婦休業損害はもらえるの?」と気になった方は、ぜひグリーンリーフ法律事務所までご相談ください。
パートでお勤めの方、ご夫婦でお住まいの方の交通事故相談も、当事務所が親身になってサポートいたします。















