腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)について

当事務所に、交通事故被害で依頼・相談される方の中では、「腕神経叢損傷」を負ってしまったという方が多いように思います。バイクや自転車の事故で転倒をすると、このような症状となりやすいようです。

腕神経叢損傷の症状としては、日本整形外科学会の説明(ホームページより)が参考となります。

オートバイ走行中の転倒、スキーなど高速滑走のスポーツでの転倒、機械に腕が巻き込まれた後などで、上肢のしびれ、肩の挙上や肘の屈曲ができなくなったり、時には手指も全く動かなくなったりします。
骨盤位分娩や肩難産で生まれた乳児が肩の挙上や肘の屈曲をしません。
いずれの場合も、腕神経叢のどの部位が、どの程度損傷されるかにより、それぞれの損傷高位に応じた運動麻痺、感覚障害や自律神経障害があらわれます。肩の挙上と肘屈曲ができないものから肩から上肢全体が全く動かないもの、外傷後徐々に軽快するものから全く回復しないものまで、いろいろあります。

原因としては、例えばオートバイの転倒事故やスキーなど高速滑走のスポーツでの転倒で、肩と側頭部で着地した際、また、機械に腕を巻き込まれて腕が引き抜かれるような外力が働くと、神経の束が引き伸ばされて損傷してしまいます。神経根が脊髄から引き抜けてしまうことを、「引き抜き損傷」と言います。
バイクや自転車の転倒事故で特に多いのが、この引き抜き損傷です。

腕神経叢損傷の後遺障害等級は何級?

可能性のある等級

5級6号:上肢の用を全廃したもの
※肩関節、ひじ関節、手関節のすべての関節が強直、指の全部の用を廃したもの。
※上腕神経叢の完全麻痺も含む。
6級6号:3大関節中の2関節の用を廃したもの
8級6号:3大関節中の1関節の用を廃したもの
10級10号:3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級6号:3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

■用語説明

・「上肢」とは、肩関節から手関節までを言います(手指は除かれます)
・「上肢の3大関節」とは、肩関節、肘関節、手関節を言います。
・「全廃」とは、3大関節の全部が全く動かせないか、それに近い状態(可動域が健側の10以下)になっていることを言います。
・「用を廃した」とは、関節が全く動かせないか、それに近い状態に(可動域が健側の10以下)なっていることを言います。
・「著しい障害」とは、関節可動域が健側の1/2以下になっていることを言います。
・「障害」とは、関節可動域が健側の3/4以下になっていることを言います。

 

※ここも要チェック !
後遺障害の慰謝料は??

よくあるケガ

バイクの事故や自転車の事故で転倒し、腕の神経を損傷したという相談が多いです。
例えば、バイクで交通事故に遭って、「右手の腕が全く上がらなくなってしまった。医者には、神経が損傷(断裂)していると言われた」という場合は、後遺障害等級8級6号が想定されます。