紛争の内容
相談者は、オートバイに乗って直進していたところ、対向車線から右折してきた自動車に衝突し、腰の骨を折るなどの怪我を負いました。しかし、相手方は、任意保険に加入しておらず、相談者も弁護士費用補償特約等に加入しておりませんでした。間もなく、相手方には、弁護士が付きました。
相談者は、このままでは、何をどう進めてよいのか分からず、当事務所の弁護士に依頼しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
まずは、治療に専念してもらいました。ある程度の期間はかかりましたが、幸い、後遺障害が残らない程度に身体は回復しました。そのため、弁護士基準で計算した上、物損、慰謝料や休業損害等の費用を請求しました。
最初は、事故と損害との間の因果関係に争いがありましたが、合理的な主張の結果、その争いはなくなりました。
また、過失割合にも争いがあり、過失割合については、75対25を主張されましたが、こちらで交通事故の再現を作成しつつ、過去の事例を基に主張し、85対15ということで解決しました。
さらに、資力がないなどと述べておりましたが、諸々の交渉の結果、一括払いを受けられることにありました。

本事例の結末
当初は、因果関係に争いがあるとしており、賠償提示もありませんでした。
しかし、最終的には、自賠責保険からの回収分も含め、160万円まで、支払額を上げることができました。

本事例に学ぶこと
相手方が任意保険に加入していれば、財力という面では心配ありませんので良いのですが、無保険(あるいは自賠責のみ)の場合には、資力の問題が付きまといます。要するに、加害者がどんなに悪くても、お金がなければ払えない、ということです。そのため、一つは、相手方の財産についてもきちんと把握しておくことが必要になる(例えば、持ち家があれば、いざという時に強制執行も視野に入れます)のと、次善の策としては、自身もきちんと任意保険に加入しておけば、無保険車傷害保険特約により、無保険車との事故の場合には、自己の保険から賄われる場合もあるということです。