紛争の内容
それは、被害者の方がいつものように車を運転していた、何気ない日常のひとコマで起きました。

道路脇で伐採作業をしていた作業員が、誤って切り倒した木が、あろうことか走行中の被害者の車両に直撃してしまったのです。

通常の「車対車」の交通事故であれば、相手方の自賠責保険や任意保険(対人・対物賠償)との交渉になります。しかし、今回は「作業中の過失による事故」であり、相手は車ではありません。そのため、交通事故被害者のためのセーフティネットである「自賠責保険」が適用されないという、非常に特殊かつ不安定な状況でした。

お怪我の治療や愛車の修理が必要な中、加害者側の業者との交渉がどのように進むのか、適正な補償がなされるのか、被害者の方は大きな不安を抱えて当事務所へご相談にいらっしゃいました。

交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼を受けたグリーンリーフ法律事務所の弁護士は、まず事故の法的性質の整理から着手しました。

本件は自動車事故としての保険対応ではなく、民法上の不法行為責任(あるいは使用者責任)を根拠に、加害者側の会社および加入している賠償責任保険会社と交渉を行う必要があります。

もっとも大きな争点となったのは「見えない損害」の評価です。

車の修理費(物損)や実費としての治療費については比較的スムーズに話し合いが進みましたが、問題は「慰謝料」と「休業損害」でした。特に被害者の方は専業主婦として家事を担われていましたが、加害者側は当初、主婦としての休業損害の支払いに消極的な姿勢を見せました。

私たち弁護士は、過去の裁判例や法的基準に基づき、「家事労働がいかに経済的価値のあるものであるか」、そして「この事故による怪我が、日常の家事にどれほどの支障をきたしたか」を粘り強く、論理的に主張しました。また、突然の事故による精神的苦痛(慰謝料)についても、弁護士基準(裁判基準)での算定を強く求め、交渉を重ねました。

本事例の結末
粘り強い交渉の結果、私たちの主張の大部分が認められる形で示談が成立しました。

具体的には、車の修理費用全額と怪我の治療費が支払われたことはもちろん、それらとは別に、入通院慰謝料および主婦休業損害として、合計107万円を受け取ることができました。

当初、相手方からの提示額は低額でしたが、弁護士が介入し、法的に正当な権利を主張したことで、被害者の方が納得できる十分な補償を獲得することができたのです。予期せぬ事故で傷ついた被害者の方の心も、この解決によって少しでも晴れやかになることを願う結果となりました。

本事例に学ぶこと
本件のような「車以外の原因」による交通事故は、一般的な交通事故の手続きとは異なり、自賠責保険という最低保証がないため、被害者自身での交渉が非常に困難になるケースが少なくありません。

また、本事例で特筆すべきは「主婦休業損害」です。

兼業・専業を問わず、主婦(主夫)の方の家事労働には法的な経済価値が認められています。しかし、保険会社や加害者側が、その権利を自発的に認め、適正額を提示してくることは極めて稀です。「現実に給料が減ったわけではないから」と、請求を諦めてしまう方も多くいらっしゃいます。

もし弁護士に依頼していなければ、治療費と修理費のみで終わっていたかもしれません。しかし、専門家が介入することで、本来受け取るべき「慰謝料」や「休業損害」をしっかりと確保することができます。

「普通の事故とはちょっと違う気がする」「主婦だけど補償されるの?」

そんな疑問や不安を感じた時こそ、私たち弁護士法人グリーンリーフ法律事務所にご相談ください。あなたの隠れた権利を見逃さず、適正な解決へと導きます。

この事例をご覧になり、似たようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当事務所の無料相談をご利用ください。

弁護士 時田 剛志