紛争の内容
日本に観光目的で来日していた外国人が、滞在中に物損交通事故を起こしました。
しかし、その後に祖国へ帰国してしまい、ご依頼者の方との連絡が途絶えた事案です。
相手方が日本国外に在住しているため、損害の賠償を求めることが極めて困難な状況となっていました。

交渉・調停・訴訟等の経過
幸いなことに、事故発生時に相手方のメールアドレスを取得していたため、そのメールアドレスを通じて相手方との連絡を試みました。
言語の壁や相手方が海外在住であるという物理的な障壁がある中で、粘り強くメールによるやり取りを継続しました。
訴訟による回収が現実的に困難な状況であったことから、任意交渉による解決を目指し、損害額についての協議を重ねました。

本事例の結末
粘り強い任意交渉の結果、相手方との間で損害額について合意に至り、ご依頼者の方にご納得いただける内容での示談を成立させることができました。
帰国した外国人相手の事案において、損害の回収を実現することができました。

本事例に学ぶこと
外国人が日本で交通事故を起こした場合、相手方が帰国してしまうと、言語の壁や国際的な訴訟手続きの複雑さ・費用の大きさから、損害の回収はほぼ不可能に近い状況となります。
そのような事案であっても、事故発生時に相手方の連絡先を確実に取得しておくことが、その後の交渉を可能にする重要な第一歩となります。

本事例では、メールアドレスという唯一の接点を活かし、諦めることなく交渉を継続した結果、任意での示談解決という成果を得ることができました。
外国人が関係する事故では、訴訟よりも任意交渉による柔軟な解決を模索することが現実的かつ有効な手段となる場合があります。
また、困難に思える状況であっても、粘り強く交渉を続けることの大切さを、本事例は示しています。

弁護士 遠藤 吏恭