紛争の内容
ご依頼者の方が追突事故の被害に遭われ、治療を経たのち、相手方保険会社から慰謝料の示談提示を受けました。
提示された金額を前にして、「この金額で本当に示談をしてよいのだろうか」という疑問をお持ちになり、弁護士へのご相談・ご依頼に至りました。
保険会社から提示された金額はいわゆる保険会社基準によるものであり、裁判所が用いる基準(いわゆる弁護士基準・裁判基準)による慰謝料額には届かない内容でした。
さらに、ご依頼者の方は主婦として日常的に稼働されていたにもかかわらず、提示内容には主婦休業損害が一切含まれていませんでした。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼を受けた弁護士は、相手方保険会社に対して裁判所基準に基づいた慰謝料額を提示するとともに、見落とされていた主婦休業損害についても請求に加えて交渉を開始しました。
入院を伴わない場合、主婦としての稼働がまったくできなくなるわけではないかもしれません。
しかしながら、事故による身体的な影響から、家事全般に支障が生じることは明らかです。
洗濯・掃除・炊事・育児など、日常的に担っている家事労働への影響は無視できるものではなく、これは休業損害として適切に評価されるべきものです。
弁護士はこの点を丁寧に主張し、保険会社との交渉にあたりました。
本事例の結末
弁護士が介入したことにより、慰謝料の増額に加えて主婦休業損害も認められ、当初の保険会社提示額から50万円以上の増額を実現することができました。
訴訟提起には至らず、交渉の段階で解決いたしました。
本事例に学ぶこと
本事例からまず学べることは、保険会社から示談の提示を受けた際に、その金額をそのまま受け入れてしまうことの危険性です。
保険会社が提示する金額はあくまでも保険会社独自の基準によるものであり、裁判所が認める基準とは異なります。
示談書にサインをしてしまうと原則として後から覆すことはできませんので、署名・捺印の前に必ず専門家への確認をお勧めいたします。
次に、主婦として家庭を支えている方にも休業損害が認められるという点は、多くの方がご存じない重要な知識です。
専業主婦・主夫の方は給与収入がないため、休業損害の対象にならないと思われがちですが、家事労働にも経済的な価値が認められており、事故によって家事に支障が生じた場合には休業損害として請求することができます。
保険会社の提示にこの項目が含まれていない場合には、見落とされている可能性が高く、弁護士への相談が不可欠です。
また、増額の幅はお怪我の程度や治療期間、家事への影響の内容によって大きく異なりますが、本事例のように50万円以上の増額となるケースも決して珍しくはありません。
「自分の場合は大した金額にはならないだろう」と思い込まず、まずは弁護士に内容を確認していただくことが、ご依頼者の方にとって最善の選択につながります。
最後に、弁護士費用特約に加入されている場合には、弁護士費用の自己負担なく弁護士を利用でき、かつ保険の等級が下がることもございません。
本事例のように、弁護士が介入することで初めて適正な賠償が実現するケースは数多くございます。示談提示を受けた際には、ためらわずに弁護士へご相談ください。














