紛争の内容
Aさんは、商業施設(デパート)の駐車場内という、公道とは異なる特殊な環境下で交通事故に遭いました。
本件事故で、Aさんの他に、同乗者2名も怪我を負ってしまいました。
Aさんは、相手方保険会社の対応に不満を感じ、弁護士に相談・依頼に至りました。

交渉・調停・訴訟等の経過
弁護士が受任後、まずは「過失割合の適正化」と「人身損害の適正な評価」の2軸で交渉を進めました。
駐車場内の事故は道路交通法がストレートに適用されないケースが多く、保険会社は画一的な過失割合を提示しがちです。

しかし、当職は事故現場の図面や双方の車両の損傷位置を詳細に分析し、相手方の前方不注視を具体的に指摘し、粘り強く交渉を重ねました。その結果、相手方保険会社の提案割合(Aさん7割:相手方3割)よりも、Aさんにとって有利な過失割合「Aさん7.5割:相手方2.5割」での合意を結ぶことができました。

怪我の補償については、相手方保険会社が提示してくる独自の低い基準(自賠責基準や任意保険基準)に対し、裁判をすれば認められるべき「弁護士基準(裁判所基準)」をベースに、通院実績や具体的な症状の推移を丁寧に立証しました。

特に同乗者2名については、運転者(当方)の過失の影響を受けない「第三者」としての権利も意識しつつ、保険会社に一歩も引かない姿勢で臨みました。

本事例の結末
徹底的な交渉の結果、Aさん達にとって実利の大きい形でスピード解決へと至りました。

項目 解決内容
物損(修理代金) 合意した「75:25」の割合に基づき、相手方から修理金額の75%に相当する損害額をきっちりと回収しました。
人身(怪我の補償) ご本人様、および同乗者2名様の計3名それぞれについて、当初こちらが積算して請求した金額のほぼ満額を勝ち取る形で示談が成立しました。

本事例に学ぶこと
① 駐車場内の事故こそ、定型的な判断に流されてはならない
駐車場は公道に比べて「なんとなくお互い様(50:50)」や「基本は70:30」といった大雑把な過失割合で処理されがちです。しかし、具体的な修正要素を論理的に主張することで、本件のように「5%」の譲歩を勝ち取ることが可能であり、それが最終的な自己負担額(または受け取れる金額)を大きく変えることになります。

② 同乗者がいる場合は、被害が数倍に膨らむリスクと権利を理解する
車に誰かを乗せている際、事故に巻き込まれると同乗者も被害者になります。同乗者の怪我についても、弁護士が介入することで正当な慰謝料(満額水準)をそれぞれがしっかりと受け取ることができます。複数人の被害者がいる場合こそ、窓口を弁護士に一本化して一括で交渉するのがベストな選択肢です。

弁護士 安田 伸一朗