紛争の内容
ご依頼者様は、走行中に後方から追突を受けた自動車の所有者でした。
事故態様から過失割合には争いがなく、当方の過失割合は0として交渉を進めることができる事案でした。
もっとも、被害車両は新車登録から1年程度しか経過していない車両であり、事故による修理を行ったとしても、事故歴が付くことによる将来的な売却時の価値下落(いわゆる評価損)が生じることが見込まれました。
そこで、ご依頼者様は、修理費用に加えてこの評価損についても加害者側保険会社に請求したいとして、当事務所にご相談・ご依頼をいただきました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼をいただき、加害者側の任意保険会社との間で評価損の獲得に向けた交渉を開始しました。
保険会社は当初、評価損について「0円」との主張を崩さず、修理費用のみの賠償を提案してきました。
そこで、当方からは、①被害車両が新車登録からわずか1年程度しか経過しておらず車両としての市場価値が十分に高い状態であったこと、②損傷の程度が外観からも明らかに認識できるものであったことなど、評価損の発生を基礎づける具体的な事情を主張しました。
これらの事情を踏まえ、評価損が現に発生していることを粘り強く主張したことで、保険会社側も評価損の存在自体は認めざるを得なくなり、その算定額について合意に向けた協議を進めることとなりました。
本事例の結末
交渉の結果、過失割合を当方0:相手方10とすることに加え、評価損として修理費用の10%相当額を加害者側保険会社に支払わせることで合意が成立しました。
保険会社が評価損の発生自体を認めない姿勢を示す事案は少なくありませんが、本件では車両の登録年数の短さや損傷状況といった具体的事情を的確に主張したことにより、早期に評価損の獲得を実現することができました。
本事例に学ぶこと
評価損(格落ち損)は、修理をしても事故歴が残ることによる将来の売却価値の低下を補償するものですが、保険会社との交渉においては、その発生自体を争われることが少なくありません。
本事例から学べることとして、①車両の新車登録からの経過年数が短ければ短いほど、たとえ損傷の程度がそれほど大きくなくとも評価損が認められやすいこと、②損傷車両の時価評価額が高いほど、評価損が認められる可能性やその金額の水準も高くなりやすいこと、という2点が挙げられます。
交通事故により車両に損傷を受けた場合、修理費用だけでなく評価損についても請求できる可能性がありますので、車両の年式や状態次第では、諦めずに専門家に相談されることをおすすめします。














