紛争の内容
事故態様としては、いわゆる玉突き事故であり、交差点赤信号で停車中の車の列に、後続車が突っ込み(追突)、3台が絡む事故になりました。
相談者の4名は、真ん中に位置し、一台に4名が載っておりましたので、その全員が被害者となりました。
なお、過失割合は、追突事故のため、100:0で争いありませんでした。

交渉・調停・訴訟などの経過
4名それぞれにつき、乗車位置や状況が異なるので、微妙に症状も異なりました。
衝撃が強く、助手席と運転席に載っていた父母は、頸椎や腰椎の捻挫の症状が強く、幼児の二人はチャイルドシートに固定されており軽傷でした。
それぞれが整形外科や整骨院で治療を受け、それぞれのタイミングで症状固定となり、幸いにも後遺障害が残る程度の怪我はありませんでしたので、順次、損害額を弁護士基準で計算し、交渉を進めました。
子どもは通院期間も短く、弁護士基準100%での示談となりました。
一方で、父母については、相当期間の通院を余儀なくされ、その中でも、母(兼業主婦)については、主婦休業損害が争点になりました。父母の通院慰謝料についても、理不尽に80%程度の回答であったため、話にならないとして、父母については、紛争処理センターに申し立てをしました。

本事例の結末
結論としては、父母において、通院慰謝料は弁護士基準100%が認められました。
主婦休業損害については、80万円弱程度が認められ、母が最も高額となり、治療費を除いて、相手保険会社からは、総額で約350万円弱の賠償を受け取ることができました。

本事例に学ぶこと
交通事故に巻き込まれた場合、とくに同乗中の事故の場合には、運転者の任意保険に弁護士費用補償特約が付いていれば、被害に遭った全員が、その保険により、弁護士に依頼することができます。
それにより、被害者全員が、持出しの弁護士費用なく(重い等級の場合は除く)、弁護士の交渉による利益を受けることができます。
このことを知っているか知らないかで、数十~数百万単位で損をするということもありますので、必ず、弁護士費用補償特約の利用ができるかどうかを確認しましょう。
特に、子どもの損害については、見逃しがちですが、通院回数は少なくても、通院期間に応じた慰謝料を請求できますので、ご相談ください。

また、相手保険会社は、弁護士が就いた場合には、弁護士基準の慰謝料を前提としますが、それでも、80%、90%など、慰謝料の減額を求めてくることが少なくありません。理由になりませんが、「交渉段階だから」との理不尽な内容です。
その場合でも粘り強く交渉すればよいのですが、態度が固く、話しにならなければ、紛争処理センターを利用します。ここでは、余程のことがないかぎり、弁護士基準100%に近い慰謝料を認めてくれます。少し時間がかかる(3~6ヶ月)というのが少し難点です。

グリーンリーフ法律事務所は、地元埼玉で30年以上の実績があり、各分野について専門チームを設けています。ご依頼を受けた場合、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。

弁護士 時田剛志