紛争の内容
被害者は、帰宅時、自宅付近の横断歩道上で交通事故被害に遭いました。
ただ、当時飲酒していたため、事故状況について記憶がありませんでした。

被害者は、事故時に頭部に外傷を受けたため高次脳機能障害を負ってしまい、自賠責では5級の認定がなされました。

5級を前提に賠償額を計算し、相手方保険会社に提案をしたのですが相手方保険会社はこれを受け入れなかったことから、訴訟を提起しました。

交渉・調停・訴訟等の経過
訴訟では、主に、逸失利益と過失割合が問題となりました。

逸失利益について、相手方保険会社は喪失率5級相当であることを争いました。
これについては、特段相手方の主張に根拠がないことを反論し、また、事故当時の勤務先の協力も得て将来年収の見込みなどを立証し、裁判所から、こちら側が納得できる和解提案を受けました。

過失割合については、事故当時の記憶がなかったことからこちらに不利な部分もありましたが、最終的には、裁判所から、こちらが納得できる和解提案を受けました。

本事例の結末
被害者の納得できる和解提案を受けましたので、裁判所提案の内容で和解を成立させました。

本事例に学ぶこと
依頼者である被害者のため、可能な限りの立証を尽くした結果、被害者が納得できる和解提案を受けることができました。
立証については工夫が必要ですし、熱意を持って対応することが重要であることを改めて感じました。

弁護士 野田 泰彦