紛争の内容
駐車場内で停車中、駐車しようと前方から後進してきた車両に衝突され、傷害を負った方からのご相談でした。
このような事故態様ですので過失割合は問題にならず、また、通院期間も保険会社と協議したことから、休業損害と慰謝料が問題となりました。
慰謝料が80%の提示額であったほか、個人事業の休業損害(数万円)については、保険会社が個人事業の業務内容を疎明する資料を多数請求してきました。

交渉の経過、結末
休業損害については、依頼者が働けなかった分として、確定申告書の写しや、依頼者に代わって仕事をしてもらった外注先の領収書等も提出しましたが、保険会社は休業損害の支払を拒んできました。そして、依頼者の側でも、それ以上の資料がなく、裁判や紛争処理センターで休業損害が認められるかは、難しいと考えられました。
そこで、弊所では慰謝料は100%でないと認められないことを主張したところ、相手方保険会社は、休業損害の請求を下げるのであれば、慰謝料100%に応じると回答してきました。
休業損害については、立証資料が少なかったことから、慰謝料を100%で合意することは交渉としては依頼者に十分利益があると考えられました。
そのため、休業損害の請求をしないこととし、慰謝料を100%で合意することとしました。

弁護士の所感
 裁判になった場合にどのようになるかも配慮しながら、結論として依頼者に少しでも有利な金額の支払が認められるよう、保険会社と交渉していくことの重要性を改めて感じました。

弁護士 野田 泰彦 

 

弁護士 平栗 丈嗣