紛争の内容
相談者は、県道を直進していたところ、突然路外カラオケ店から右折で進入してきた相手方に衝突され、頸部にけがを負い、自動車も右側面に修理をしました。
相手方は「①相談者が相手方が右折をして進入しようとしていたのに、前方不注視によりそのまま速度を落とすこともなく直進したとして相談者に20%の過失がある旨」及び②「相談者の自動車は古いので修理による評価損はない旨」主張したので、過失割合や修理による自動車の評価損を争点として訴訟を提起することとしました。

交渉・調停・訴訟などの経過
審理の中では、相手方が侵入してきた態様や、相談者の車が評価損の発生するようないわゆる高級自動車といえるかについて、丁寧に主張をしました。

本事例の結末
結局本件は、早期解決のため、裁判所主導での和解を進めることとなり、相談者の主張を容れた裁判所は相手方に対し相談者の過失割合は運転態様からすれば10%にとどまる、本件相談者の自動車は走行距離が長かったものの、いわゆる高級車にあたるとして評価損の存在も前提とされました。
相手方の加入する保険会社より、和解金の支払いがなされ、無事事件が終了しました。

本事案に学ぶこと
過失割合を争うに当たっては、事故当事者双方の主張が大きく異なることが普通なので、争いようがない自動車の損傷部位等、客観的な証拠の重要性を改めて感じました。