紛争の内容
 依頼者の方は、自転車運転中、脇道から飛び出してきた自動車と衝突する接触事故に遭いました。依頼者は、弁護士費用特約を利用して、事故間もなく弊所に相談にいらっしゃいました。そこで、治療開始直後から、私たち弁護士が保険会社との交渉を進めていくことになりました。

交渉・調停・訴訟などの経過
 まず、依頼者自身の治療が問題となりました。保険会社としては、予想通りではあるものの、何度も何度も治療打切を示唆してきました。しかし、私たちは、通院治療の必要性を強く主張し、断固として治療打切には応じない態度を示しました。その結果、依頼者は、痛みがなくなるまで、安心して最後まで通院することができました。

 通院終了後、①休業損害、②通院慰謝料、③過失相殺(被害者の過失割合)が問題となりました。

 まず①休業損害について、保険会社は、休業の必要性がなかった旨主張し、請求金額の一部しか支払わない旨の回答をしてきました。そこで、私たちから、継続的に間断なく通院を続けていたこと、傷みを訴えやむなく仕事をすることができなかったことを強く主張していきました。その結果、休業損害について、私たちの主張の満額の支払を得ることができました。

 次に、通院慰謝料についても、赤い本基準を大幅に下回る金額を提示してきました。そこで、通院慰謝料については、訴外であるとの説得力ない理由による減額は認めないこと、長い通院期間中継続的に間断なく通院していたことから依頼者への精神的肉体的苦痛が大きかったと強く主張していきました。
 その結果、通院慰謝料について、赤い本を基準に弁護士基準で合意することができました。

 最後に、本件事故は、自転車と自動車の出会い頭の事故であったため、被害者の過失割合が問題となりました。私たちからは、膨大な裁判例を集積した専門書の類似事例を挙げ、事故現場の写真を提示して、依頼者に有利な事故類型にあたるはずであると強く主張していきました。その後の交渉を経て、私たちの主張が全面的に認められるに至りました。

本事例の結末
 依頼者が早い段階でご依頼いただいたことで、治療を不本意に早く打ち切られることもなく、損害賠償内容について、満足いく金額を獲得することができました。

本事例に学ぶこと
 弁護士に依頼する前に、むやみに保険会社の交渉に応じては、大きな不利益となります。交通事故における損害賠償の内容は多岐にわたり、説得力ある主張をするには専門的な知見を必要とするため、保険会社を相手にご自身で交渉することは極めて困難です。保険会社の提案に乗って示談に応じることなく、弁護士に相談することを強くお勧めします。

弁護士 申景秀・弁護士 平栗丈嗣