紛争の内容
事故態様としては、狭い道路(住宅街)で、乗用車と軽自動車とのすれ違い様に、ミラーがぶつかって傷がついたというものでした。
依頼者は軽自動車に乗っており、すぐに警察を呼びましたが、相手はそのまま走り去ってしまい、当て逃げ事案となりました。
もっとも、依頼者はドライブレコーダーの映像を確保せず、その後も移動してしまったため、ドライブレコーダーが上書きされ、事故時の映像が消えてしまっておりました。
捜査の結果、相手が判明し、物損事故として事故証明がなされました。

交渉・調停・訴訟などの経過
双方の損害を比較すると、相手の乗用車は新しく、金額が3倍近くの修理費でした。
依頼者は、過失割合100:0を主張しておりましたが、ドライブレコーダーの映像はなく、また、弁護士会照会で取り寄せた物件事故報告書(警察作成)についても、双方が移動中の事故ということしか判明しませんでした。
考え方としては、50:50(お互い様)ということもありますが、それでは、依頼者が支払う金額が大幅に出てしまうので、結果を公平にするため、紛争処理センターの斡旋委員からは、「自損自弁」(つまり、自分の損害は自分でまかない、相手に請求しないし、相手からも請求されない)という解決策を示されました。

本事例の結末
当事者双方が、自損自弁に合意したため、お互いに支払なく本件は解決となりました。

本事例に学ぶこと
物損事故の場合、交通事故紛争処理センターの拘束力はありませんが、中立の立場で弁護士が斡旋委員となり、示談を斡旋してくれますので、本件のような場合でも、解決に導くことが可能な場合があります。
紛争処理センターを利用するか訴訟を利用するかは、弁護士にご相談いただければと思います。

グリーンリーフ法律事務所は、地元埼玉で30年以上の実績があり、各分野について専門チームを設けています。ご依頼を受けた場合、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。

弁護士 時田剛志