紛争の内容
ご依頼者の方は、交通事故に遭われ、打撲の傷害を負われました。
外傷はほとんどなく、通院期間も約2か月と比較的短期間であり、その間の実通院日数も多くはありませんでした。

治療終了後、相手方保険会社から示談金の提示がありましたが、その金額は慰謝料として10万円にも満たないものでした。
相手方保険会社は、自賠責保険の基準に沿って、通院期間と実通院日数を基に低額な慰謝料額を算定していたのです。

ご依頼者の方は、提示された金額が妥当なものなのか判断がつかず、また、ご自身で保険会社とやり取りを続けることにも負担を感じておられたことから、当事務所にご相談いただき、ご依頼をいただくこととなりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
受任後、まずは診断書や診療報酬明細書などの資料を取り寄せ、受傷内容と治療経過を精査いたしました。

そのうえで、相手方保険会社に対し、慰謝料の算定は自賠責保険の基準ではなく、裁判所において用いられる基準(いわゆる弁護士基準)によるべきであることを指摘し、増額を求めて交渉を行いました。
あわせて、ご依頼者の方の受傷内容や治療経過、日常生活における支障の内容についても丁寧に主張いたしました。

交渉の結果、相手方保険会社も当方の主張を踏まえた金額を提示するに至り、訴訟等の手続を経ることなく、示談により解決することができました。

本事例の結末
当初10万円にも満たない金額の提示にとどまっていた慰謝料が、最終的には30万円ほどまで増額し、示談が成立いたしました。当初提示額のおよそ3倍の水準となります。

また、受任後は相手方保険会社との連絡はすべて弁護士が窓口となって対応いたしましたので、ご依頼者の方が直接保険会社とやり取りをされる負担もなくなりました。

本事例に学ぶこと
本事例のように、打撲のみで外傷もほとんどなく、通院期間も2か月程度という比較的軽微に見える事案であっても、弁護士が介入することによって賠償額が大きく増額する場合がございます。
これは、相手方保険会社が当初提示してくる金額の多くが自賠責保険の基準に基づく低額なものであるのに対し、弁護士が交渉する場合には裁判所において用いられる基準を前提として増額を求めることができるためです。
「この程度の怪我では弁護士に相談しても意味がないのではないか」とお考えになる方も少なくありませんが、実際には、軽微に見える事案こそ、当初提示額との差が大きくなることがございます。

とりわけ、ご自身やご家族が加入されている保険に弁護士費用特約が付いている場合には、弁護士に依頼をされない理由はほとんどないと申し上げてよいかと思います。
弁護士費用特約を利用すれば、弁護士費用は保険会社が負担することになりますので、ご依頼者の方の費用負担は原則として生じません。
そのうえ、弁護士費用特約を使用しても等級が下がることはなく、翌年以降の保険料に影響が及ぶこともございません。

つまり、費用面での不利益がないまま、賠償額の増額という利益のみを受けることができるということになります。

さらに、弁護士に依頼をされることの利点は、金額面だけにとどまりません。
事故のお怪我を抱えながら、保険会社の担当者と示談交渉のやり取りを続けることは、精神的にも時間的にも大きなご負担となります。
弁護士が窓口となることで、そうしたやり取りから解放され、治療やお仕事、日常生活に専念していただくことができます。

お怪我の程度が軽いと思われる場合であっても、まずは一度、弁護士にご相談いただくこと、そしてご自身の保険に弁護士費用特約が付いていないかをご確認いただくことを、強くお勧めいたします。

弁護士 遠藤 吏恭